戦国最強のフリーター武将・水野勝成を知っているかっ?!
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価格:628円 |
初版発行: 2013年7月19日

こんにちは。平城京です。あなたは戦国一のフリーター武将・水野勝成をご存知ですか?
こいつがですねぇ、あの前田慶次を遥かに超えるカブキっぷりなんですよ(笑)
私、日本史は源平と幕末推しなんで(すんません!!(>_<))戦国は全く疎い、なんちゃって歴女なんですが。
水野勝成は子供の頃から存じ上げているわけですよ。
なぜって私の出身地・福山(広島県東部)を治めた初代大名だから!!
家康の従兄弟で、城も最新式の大きな城を構えて、外様大名に睨みをきかせていたというのは有名な話で。
ただ、戦国武将としてはマイナーなんですかね。広島なんか勝成さんよりは毛利氏の方が遥かに有名だし。あまり取り上げられることもなく。私個人も城の公園内にある勝成さんの銅像を見上げながら「まあこんな田舎の大名くらいじゃな」くらいにしか思っていなかったんですが。
あるとき、地元の大型書店がこぞってこの本を店頭に山積み!!
「福山城主・水野勝成の小説、遂に発売!!」
初版改めて確認してビビったけど、あれからもう10年くらい経つんだな。
まあ地元ワッショイくらいの感覚でお手軽に手に取ったわけですが。
当時、偶然にも冲方丁氏の「光圀伝」を読了した後だったんですが。
光圀も若い頃は相当ヒネクレというか、いわゆる粗暴さの見える青年でしたが、勝成もまあ血気盛ん、てか、通り越して「うつけ」とか「阿呆」の領域ですね。
「倫魁不羈(りんかいふき)=余りに凄すぎて誰にも縛りつけることはできない」と称された、とあるんですが、徳川の血筋の方々はみなさん血の気が濃い印象です。
水野勝成ってこんな人
元々、戦には長けた方だったみたいで10代からバンバン先陣切って突入してバンバン首級を上げて戦っていたみたいです。
た・だ。21歳のとき、勝成の素行の悪さを告げ口した親父の家臣を怒りに任せて斬っちまったもんだから、さあ大変!!
親父激怒で「勝成を雇った家は、水野家の敵である」いう意味合いの「奉公構」(ほうこうがまえ)として勝成を勘当してしまいます。
さあ。どうやって生きていくよ、勝成っ?!
というお話が、この度ご紹介する「天を裂く-水野勝成放浪記-」という小説なんです。
いやもうね、こいつ戦国武将の枠に入れちゃダメですよ(笑)
虚無僧になったり、姫谷焼(うちの地元の山奥で江戸時代の前半に短期間しか焼かれていない、誰がどのように焼いていたか文献が無い、作品もごく少数という「幻の焼き物」)の器職人になったり、偽名を使って、佐々成政、黒田長政、小西行長、加藤清正など、名だたる武将のもとへ仕官。どこでも大活躍(だから「戦国一のフリーター」)し、いろんなものを吸収していくんですが。
もうね、破天荒すぎ!!(爆笑)
あまりに破天荒すぎて「いやいや、おもろく盛ったフィクションやろ」と思って当時もウィキとか調べたんですけれど、ほぼ全部史実……!!
当時、こんな生き方をした武将がいたことに驚きを隠せません。しかもそれがうちの地元の城主って……^_^;
さんざっぱら流浪したのち、36歳で父親が味方に暗殺されたことがきっかけで16年ぶりに実家に帰って家督を継ぎ、関ヶ原の戦いで従兄弟の徳川家康に呼ばれて参戦となるんですが。ここでも大暴れをして数多くの武功をあげています。大坂夏の陣でも当時51歳だそうですが、軍の責任者なのに自ら先陣に立って大坂城に一番乗りを果たすなど、斬り込み隊長っぷりは相変わらず。75歳のときも幕府からの「島原の乱」鎮圧への参加要請を受けて参戦という、戦好きの生粋の武将です。
徳川家が天下統一を成し遂げたあと、勝成さんはうちの地元である福山藩を与えられて一国一城の主となるんですが。私は地元民だからだと思うんですが「名君」としての勝成さんしか知らないんですよね。
という名言もさることながら、フリーター時代に培った土木技術を駆使して、江戸の神田上水・播磨の赤穂上水(旧赤穂上水道)とともに「日本三大上水道」として名高い福山上水を作ったことがとても有名であり、名君と呼ばれる所以であると思います。
城なんか戦になっても大丈夫なように攻められやすい位置にあった北側の壁には鉄板が仕込んであったという話で。残っていれば国宝どころか世界遺産レベルの城だったんですが、残念なことに空襲で丸焼けになりまして。戦後、張りぼて(失礼)の天守閣が城跡に建てられていたんですが、この度、福山城築城400年記念事業としまして、この鉄板張りの壁を復活させる工事が行なわれております。まあ、この話はまた別の投稿で書かせていただきますが。
気性が激しく、全国を放浪し、数々の武功をあげ、最後は名君として領民から愛される
これだけのおもろい条件が揃っていて、なぜこんなにマイナーなんだ?!
私はこの作品を読了したときに、
「天を裂く-水野勝成放浪記-」を読んでみたいなら!!
